ありがとう、PTA!/まいにち変拍子#3

小1の壁、と並んで恐れられている、PTA。
その恐ろしさはメジャー化しており、マスコミに取り上げられたり、ドラマで描かれたり。ますますPTAデビューを控えるワーキングマザーたちをビクつかせている。

低学年のうちにやっておいたほうがいい、という言い伝えを守り、私は息子が入学するやいなや広報委員に立候補し、早くもPTA入りを果たした。

入ってみたら、悪の秘密結社と思われていた組織は、働きやすい中小企業のようだった。
打ち合わせの回数は最低限(年に数回)、土曜の午前中など比較的参加しやすい日程で調整され、時間もきっちり決まっている。
ほとんどの細かい連絡は一斉メールで交わされる。
書類は共有のdriveにアップされ、各自でスマホ上からも十分確認ができるようになっている。
仕事を持つ者には自宅で進められる作業が割り振られる。特にPCを使う作業は優先的に仕事で使い慣れている者が行う。
反対に、何度も学校に足を運んだり、先生と話し合ったりする必要がある部分は、専業ママたちがその役を買って出てくれる。
活動は細分化され、一人一人の負担は小さめだ。

これは、たまたま優秀な人がいて実現しているのではなく、
これまで脈々と続いてきた活動のなかで、徐々に整頓されてきた結果なのだという。
そう、ママたちは皆、日々家庭をやりくりしているから、実はとても合理的だし、仕切り上手なのだ。

始まってみたら、なるほどPTAというのは、ひとえに子どもたちの学校生活のため、こんなにも多くの場面で活躍していたのか、ということを知った。
たとえば、既述した広報委員のような専任の委員会以外に、保護者全員にPTAから割り振られる役割がある。その一つが「見回りパトロール」。腕章をつけて、子どもといっしょに登下校することで、通学路周辺の防犯パトロールになる、という活動だ。はじめは、出勤前にそんなこと面倒だな・・・と思ったが、やってみると、子どもが学校の友だちとどんなふうにしゃべり、どんな顔でいるのかが垣間見えて、ちょっと安心できる。また、子どもの方も、親が学校の何かを担当していることを、想像以上に喜んでくれる。そういえば私自身が小学生の頃も嬉しかったかも、と懐かしく思い出す。

「お母さん、あのね」と、なんでも話してくれていた幼い時を過ぎ、
なかなか学校でのことを話してくれない時期に突入する。
親ひとりの努力で、子どもの学校生活を探るのはとても難しい。
でもPTAの様々な活動のおかげで、子どもたちの様子を垣間見られたり、先生と接点を持てたり、保護者たちの中から気の合う友人が見つかったりする。
悪の秘密結社、なんてイメージから一転、私は、「ありがとう、PTA!」と思っている。