「体幹」は赤ちゃんのうちに!が新常識vol.11 「立ち上がるその時まで手出し無用!」

新生児の正しい姿勢からお伝えしてきた赤ちゃんの体幹のお話ですが、とうとう大詰め、おすわりから立ち上がりですね。赤ちゃんが倒れそうになると手出しをしたくなりますが、そこはぐっと我慢。赤ちゃんの人生のために「自分で獲得」できるよう、見守りましょう。

おすわりについて


母子手帳の6〜7ヶ月検診時の問診票に「一人座りはいつですか?」という質問があるので、ママは「とにかく検診までに一人で座れる様にしないと」と考えがちです。しかし、おすわりとは自分から座る様に成長を待ってあげる方が、寝返り、ズリバイ、ハイハイ、おすわり、と健全な発達につながります。

理想的で、キレイなおすわりとは、背中はぴーんとしている感じ。足はあぐらの様な座り方で足の裏と裏がついている状態で安定感があります。背もたれのない床に座っても、重力に対して抵抗して背筋を立てることができ、赤ちゃんにとって世界が変わる大きな成長の一つです。自分から座る成長をした赤ちゃんは、うっかり倒れそうになっても、手が出て倒れるのを防ぐことができたり、体を丸くして受け身ができる様になります。

自分からおすわりしたのではなく「おすわり練習で座っている子」のおすわりを見ると、背中が丸まり、骨盤が後ろに傾いています。これは、体をしっかりと立てる筋力や経験が足りていないからです。このまま成長すると立ち上がった後にも体幹をうまく使うことができず、立っているだけで疲れてしまう体の使い方につながりますので、自分からお座りするまで見守っていてあげる様にしてください。

おすわりは焦らず、赤ちゃんが自分から「寝返り→うつ伏せ→ズリバイ→ハイハイ→おすわり」と順番を追っておすわりするまでを待ってあげましょう。

「膝立ちから立ち上がり」「立つ」について


ハイハイが安定して、体幹がついてくると、ハイハイから正座の体勢になり、そこからお尻をあげる膝立ちになります。またハイハイから膝を持ち上げてつま先と手のひらで体を支える「タカバイ」も安定してできる様になります。どちらも立ちあがる動作に大切な動きです。
膝立ちは股関節が地面に対して垂直になる初めての動きです。バランスや筋力などたくさんの総合的な能力が必要になります。

この膝立ちが安定するといよいよ立ち上がりへと移っていきます。
はじめはつかまり立ちをしながら重心を徐々に床から高い位置へとあげていき、安定してくると両手を離して足だけに体重をかけ「一人で立つ」ということができる様になります。
また「しゃがむ」「立つ」という動作を繰り返していくうちに、つかまるところがなくても立てる様になります。その場合は、ハイハイの形からタカバイの形になり、お尻を下ろして、手を離して、しゃがむ形になります。そこからバランスをとりながら立ちあがることができる様になります。

立ち上がった後の赤ちゃんの足の裏全体が、しっかりと地面に付いているかみてあげてください。カカトが上がっている時間が多い場合はいろいろな原因がありますが、カカトをあげる様子が多く見られるのは歩行器を使っていた子どもです。カカトをあげて遊んでいる場合はカカトをつける様にママが手を添えてみてください。赤ちゃんは経験した方法しか体の使い方ができないことがあります。カカトをつけることもできるよ、その方が安定するよ、と経験するとすぐに付いてくれる様になります。

愛情タンクと冒険と自立について


歩けるようになると、公園で遊んだりと活動も増えてきます。そんな時「ママから離れられる子と離れられない子」がいるのはどうしてだと思いますか?それは愛情タンクを知るとわかります。愛情タンクとは、私が作った造語です。

ママやパパ、たくさんの人から受け取った「無条件」の愛情が赤ちゃんの心の中にあるタンクに溜まっていくことを想像してみてください。タンクに愛情が貯まった分だけ、赤ちゃんはママから離れて冒険をするようになります。冒険をする、とは、初めはママから離れて遊びに夢中になっているような時です。空っぽになるとママのところに来て、愛情タンクを補充します。

タンクの大きさはその子によって違うので、ママが愛情いっぱいに育てていても、べったりして離れず、冒険ができない子もいます。公園でママから離れて遊んでくれない、などの冒険ができない場合でも、他の子と比べない様にしてください。愛情タンクが深くて大きいのでどんどんベタベタしながらママとの絆を深めてください。愛情タンクを自分で埋められる「自家発電」ができる様になるのが自立です。

自立は背中を押すのではなく、自分から離れていくこと。タンクの愛情は、将来あかちゃんが大きくなった時のチャレンジをする強さや、困難に立ち向かう時の強さになります。それは0歳児の頃の赤ちゃんの扱い方によって大きく変わりますので、惜しみなくたくさん愛情を注いであげてくださいね。

これから先、赤ちゃんはどの様な事をしていくのでしょうか。サッカー、野球、ダンス、ピアノ、山登りなど、0歳の成長過程を全て経験して立ちあがることができれば赤ちゃんは本来持っている無限の力を十分に発揮することができます。楽しみですね!