「ジタハラ」って?働き方改革の裏で持ち上がる問題とは

働き方改革の裏で近年叫ばれるようになった「時短ハラスメント」。企業が社員に対して根本的な業務内容の改善を行わないまま、労働時間の削減だけを強要とした結果生まれた言葉だとされています。時短ハラスメントが起きない環境づくりのために、できる対策はあるのでしょうか?

流行語大賞にノミネートされた「ジタハラ」

2018年の「ユーキャン新語・流行語大賞」には、「そだねー」や「(大迫)半端ないって」といったスポーツ分野からの言葉が多数選出。

その中で、新たなハラスメント問題、「時短ハラスメント(ジタハラ)」という言葉もノミネートされました。「ジタハラって?」「これってジタハラ?」仕事と家事育児に頑張るママたちがジタハラにあうことのないように、現状や対策を徹底解説します。

時短ハラスメントとは

時短ハラスメントは通称「ジタハラ」と呼ばれています。上司や管理職が部下に対して、業務の見直しなどを行わないまま、労働時間の短縮だけを無理に強要するハラスメント(嫌がらせ)のことを指します。

「定時に帰れ」「残業はしてはいけない」と退社を促され、言われた側は業務が山積みになっているのにも関わらず帰らされて、結局サービス残業を行わざるを得ない状況に陥ってしまいます。

働き方改革が時短ハラスメントの要因?

 

そもそも時短ハラスメントという言葉はなぜ生まれたのでしょう?その一因が、政府が推し進める2019年4月より順次施行される“働き方改革”にあると言われています。

改革には労働者のワークライフバランスの充実が謳われていますが、その中のひとつ「時間外労働の上限規制」が、時短ハラスメントに結びついていると言われます。

昨今の日本では長時間労働による自殺、過労死が社会問題となっていました。その問題に歯止めをかけるべく打ち出された改革が、「長時間労働の改善」なのです。

労働時間を削減しつつ結果が求められる現状

株式会社高橋書店が日本全国のビジネスパーソン男女730名を対象に「働き方改革」に関するインターネット調査を行いました。

その結果、長時間労働の改善に努めている企業に働く約4割が、時短ハラスメントの悩みを抱えていることが分かったのです。政府が掲げる「時間外労働の上限規制」について、多くの企業は労働時間の削減だけを意識し、何の具体策もとらないままに進めているのです。

世間からは「パワハラ促進の改革にしか思えない」といった悲痛な叫びも聞こえてきます。

残業時間は減らせても仕事量は減らないジレンマ

上司や管理職が「定時で帰れ」「残業はするな」と部下に呼びかけることにより、残業時間は格段に減少することが見込まれます。

ただ、仕事量が変わらないままの労働時間の削減は、取引先との板挟みになったり、期限付きの仕事が終わらなかったりする悩みを抱え、泣く泣く家で持ち帰り仕事をする社員が増えるだけなのです。

それでは残業代の出ないサービス残業を続けているようなもので、社員のやる気も体力も低下する一方です。

従業員の生産性を高める工夫が必要

時短ハラスメントを引き起こさずに労働時間の削減をするには、どのような対策が必要なのでしょうか?

まず、従業員一人一人の士気を高めることが必要です。そのためには、社員それぞれの業務内容や、賃金体系、人事評価基準といったものの見直しを複合的に行うことが鍵となってきます。

多様な働き方を推進する、場所を選ばずに働けるペーパレス化など、地道な業務改善が、従業員の生産性を高めるための、そして労働時間削減のための第一歩となるでしょう。

働き方を見直す時代がやって来た!

あるべき「働き方改革」の姿とは?前述したとおり、従業員の生産性を高めることがキーポイントとなってきます。そのためには、単に労働時間の短縮、残業時間の削減だけではなく、「改革的」な取り組みや制度の導入および実施を促進する政策を行うべきであると考えられます。

例えば、始業や就業の時間を自分で自由に決められる「フレックスタイム制」、昼食後にお昼寝やリラックスする時間を設けて午後の生産性を高める「シエスタ制」など。これらの制度は日本ではまだあまり普及していませんが、今後私たちの働き方に大きな変化をもたらしてくれる制度かもしれません。

時短ハラスメントを根絶し一人一人が活き活きと輝く未来を!

昨今の長時間労働にまつわる社会問題に対して、改善策として打ち出された働き方改革。改革を推進するために苦しむ人が出てしまっては本末転倒です。これからの時代はそれぞれに合った働き方ができる時代。そもそもなぜ、労働時間の短縮を目指すのか、一度企業全体で共有してみることも大切ですね。

イラスト:ひらたともみ

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