夏の紫外線ケア / 保子先生の皮膚科通信 1

夏は紫外線の多い季節。いつからか美白が主流となりUVケアをすることが当たり前となっていますが、適量を適切に使用できている方は少ないように思います。

UVケア製品の上手な使い方は?

UVケアの製品を購入すると必ずSPFとPAの値が表記されています。
それぞれ紫外線B波(UVB)と紫外線A波(UVA)をどれだけプロック出来るか、の指標となっています。
しかしこの指標は適量を適切に使用した時のもので、白浮きするからと言って薄く塗ったり、塗り広げてしまっては効果を発揮しません。しかも、汗ですぐ流れてしまうことも多いですよね。携帯画面にもすぐ付着してしまいますし2,3時間おきに塗りなおさなければ意味がありません。しかし、朝お化粧の前に1度だけ塗っておしまいの方がほとんどだと思います。

そのような方にオススメなのはウォータープルーフタイプでSPFやPA値ができるだけ高いものです。白浮きはしやすいですが、塗ったところがしっかりと分かります。

白浮きを防ぐには小分けに塗布してから、顏全体に同じ分量になるように塗り広げる事が大切です。大雑把につけると塗り忘れや塗りムラの原因となります。多くの方が頬はしっかり塗りますが、こめかみから顎のサイドのラインは忘れがちです。また、まぶたから眉毛の間や唇も塗り忘れが多い場所ですので注意しましょう。

さらに美白にこだわる方は首の前面・後面も忘れずに塗ると良いです。顔は白いのに首の後ろが黒くなってしまう方がよくいます。この様なことは習慣なので、顔を塗った後に手に残った少量でも良いので、首の前後についでに塗っておくと良いですね。

また1度外出してしまうと途中で日焼け止めを塗りなおすのは難しいので、その場合は紫外線予防効果のあるファンデーションやルースパウダーを何度も塗りなおしましょう。個人的には軽めのミネラルファンデが何度も塗りなおす場合はオススメです。室内にいてもUVA波は窓を通過してきますので、オフィス内だからと安心しないで塗り治しは必要です!

更に予防と言えば日傘と帽子ですが、荷物が多かったり、髪型に合わなかったり、日々の使用が難しいですね。単純なことですが重要なのは、日陰を探すということです。ビルの陰、木の影、電車内でも日光が当たる側を避ける等です。

なぜ紫外線を避けるの?

紫外線を避けたほうが良い理由をしっていますか?
皆さん「シミが増える」と言う答えはすぐ思い浮かぶと思います。確かに紫外線の刺激によりメラニンを作る細胞が活性化して肌は黒くなります。これは、シミにはなりやすいですが、通常の反応なので悪い事ではありません。肌を黒くすることで有害な紫外線から身を守ってくれているのです。
ただ長期間にわたって日焼けしたり強い紫外線を浴びると、守ってくれる以上に皮膚自体にダメージを与え、将来的にしわが深くなったり皮膚が硬くなったりしてしまいます。そしてそのダメージが強いと皮膚がんになることもあります。同様な事は紫外線だけでなく毎日の化粧や洗顔、化粧落とし、基礎化粧の塗布でも起こります。摩擦や圧迫によってメラニンを生成する細胞への刺激や皮膚へのダメージが生じます。
この様に、肌は日々の積み重ねで白くも黒くもなっていくのです。太陽が好きな方、日焼けが好きな方は皮膚がんにならない程度にコントロールしてもらえば良いと思います。特にシミやしわが絶対悪かと言うとそうではないです。気にしなければ日々の手間も省けますし活動性が増えると思います。

赤ちゃんや子供のUVケアは?

赤ちゃんや子どものUVケアについてよく聞かれますが、活動性が高く汗っかきな事もあり日焼け止めだけでカバーするのは難しいです。日焼け止めは大人同様ウォータープルーフで肌に優しく石鹸で落とせる物を選ぶと良いですね。また帽子は紫外線予防に大きな効果を発揮してくれます。つばが9cm以上のものを選ぶと良いです。

肌に対する思いは人それぞれですね。ただ数日では肌は生まれ変わりません。レーザーや美容液も一時的な後押しはしてくれますが日々の習慣には敵いませんので、美白を目指す方はこの季節UVケア製品を味方につけ、なるべく日陰を見つけて歩くように心がけてお過ごし下さいね。

<監修>
外苑前いちょう並木クリニック 院長 松岡 保子

・略歴
都立西高等学校卒 / 北里大学医学部卒
・資格
皮膚科専門医 / 形成外科専門医

大学を卒業後、皮膚や外表器官の専門家を目指し、日本医科大学で皮膚科の専門医を取得し、東京医科大学で形成外科の専門医を取得。皮膚科の内科的診断力と形成外科の外科的技術力を生かしながら総合的なアプローチを行う。
赤ちゃんからシニアの方々まで、身近な患者さんの悩みに応え健康で幸せな暮らしが出来るようにサポートする。