乾燥の季節!正しい保湿ケア / 保子先生の皮膚科通信 3

乾燥が気になる季節になりました。
油断していると唇がカサカサしたり、 目まわりの小じわが目立ち始めたりと乾燥による皮膚トラブルが多く出始めます。

乾燥肌に悩む患者さんに話を聞くと自分は保湿ケアをしっかりしていると思い込んでいる事が有りますが、 実は気が付かないだけで肌に負担をかけ乾燥を招いている可能性が…。

乾燥を招いている原因は?

  1.  クレンジング(化粧落とし)を使用して更に洗顔料で洗う。
  2. 汗もかかない冬に特に汚れていない朝も洗顔する。
  3.  肌に保湿剤を塗るのは朝晩2回のみである。
  4.  紙のマスクを使用する。
  5. 顔の毛剃りをしている。
  6. ピーリング入りの洗顔料や化粧品を使用している。
  7. べたつくのが嫌いであり、 肌に使用するものはさらっとしたものを使用している。
  8. 若い頃から同じ基礎化粧品を使用しているので肌荒れの原因は基礎化粧品でないと思っている。

思いつくままに挙げてみました。思い当たる事が有る方は要注意です。年齢や個人差もありますので一概には言えませんが、 湿度の高い夏は問題ない行為でも同じ様に、冬にしていると乾燥からの肌のトラブルを招くことが有ります。

肌の保湿機能とは?

まず肌の保湿機能を簡単に解説します。皮膚は何層もの層状の構造をとりますが、保湿で大切なのは一番外側にある角層です。
角層の細胞は自身で保湿因子を出し、細胞の周りは脂質 で覆われています。また、角層の最外層は毛穴から出る皮脂や汗由来の皮脂膜で水分が蒸発 してしまう事を防いでくれます。
角層が正常に機能していれば特に保湿剤は必要有りません。
無精の成年男子の方が小まめに手入れしている女子よりも肌が綺麗できめが細かい事が有りますが、それは皮脂や汗の分泌量が多いため、角層が保護されている事にもよります。

肌の保湿が足りなくなるのは?

保湿が足りなくなるのは、これらの保湿成分や皮脂膜のいずれかの分泌が少なくなるか、外的な原因により角層の構造自体が崩れてしまうためです。
保湿成分の分泌が低下する、あるいは皮脂膜となる成分の分泌が低下するのは主に年齢による変化です。この場合は自身で出せない分だけ代替の保湿剤で補ってあげる必要が有ります。
また、過多な洗顔や紙マスクによる摩擦、毛剃り、ピーリング効果の有る外用薬の使用は皮脂膜を取り除いてしまうだけではなく、角質自体の構造にダメージを与えてしまう事が有りますので注意が必要です。

保湿を徹底したいのなら塗り治しが必要


さて、具体的にお話するとほとんどの基礎化粧は化粧水が保湿因子、乳液が皮脂膜の役割と して販売されています。全てこみこみの これ1本でとうたっているものも有ります。水分を引き寄せ保つ保涅因子と水分を蒸発させない皮脂膜ですが、化粧品の場合、自身で分泌しているものではないので、保湿を徹底したいのなら塗り治しが必要です。寝ている間、布団や枕に顔が擦れる、携帯が顔に当たる、暖房や冷たい風の下等、朝晩塗るだけでは日々の乾燥に全く追いつけません。自身の事を言うと職場のデスクに常に保湿剤を用意して、事ある毎に塗り治してます。これを習慣にすると年々冬になると小じわが増えて気になると言うことが無 くなります。

手は更に保湿ケアが重要

ちなみに daysy 世代のお母さん方は手荒れにも成り易いと思いますが、手は更に保湿ケアが重要です。家事や育児には皮脂を取り去る行為が沢山有ります。
洗剤で洗いものをする時は手袋をしていますとお話頂く事は多いのですが、洗い物だけではなく、洗濯物を干す時、たたむ時、子供のお尻を拭く時、おもちゃを片づける時、本の整理をするとき、自転車でハンドルをつかむ時等、事ある毎に皮脂が取られていくと思って下さい。冬の手荒れを乗り切るために保湿ケアがとても重要です。

毎年冬の手荒れが酷い方は近くの皮膚科に相談 すると良いでしょう。

<監修>
外苑前いちょう並木クリニック 院長 松岡 保子

・略歴
都立西高等学校卒 / 北里大学医学部卒
・資格
皮膚科専門医 / 形成外科専門医

大学を卒業後、皮膚や外表器官の専門家を目指し、日本医科大学で皮膚科の専門医を取得し、東京医科大学で形成外科の専門医を取得。皮膚科の内科的診断力と形成外科の外科的技術力を生かしながら総合的なアプローチを行う。
赤ちゃんからシニアの方々まで、身近な患者さんの悩みに応え健康で幸せな暮らしが出来るようにサポートする。